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​文化と地域デザイン研究所

​はじめに Message

非営利な任意団体「文化と地域デザイン研究所」を、2018年11月1日付で設立した。立ち上げるにあたり、設立の目的や求められる役割をめぐって研究仲間と熱っぽい論議を重ねるうち、書籍の出版を思い立ち、松本茂章編著『文化で地域をデザインする 社会の課題と文化をつなぐ現場から』(学芸出版社、2020年3月10日発行)の出版に至った。この書籍発行によって、研究所が事実上、社会に<デビュー>することになった。

「事実上」と述べたのには訳がある。当初は「次世代デザイン研究所」と名付けて2018年7月1日付で出発したのだが、広すぎた概念であったため、同年11月に現名称に変更した。設立目的、定款、理事等は同じである。

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同書籍出版の以前にも、いくつかの活動歴がある。1つには2018年8月に東京都千代田区の文化施設・アーツ千代田3331で公開研究会「伝統工芸の海外展開をめぐる意義と今日的課題」(静岡文化芸術大学主催)が開かれた際に企画協力した。2つには2019年3月に大阪府豊中市立文化芸術センターの見学会を主催した。同センターの指定管理者の1つに日本センチュリー交響楽団が選定されるなど、きわめて異色の運営が展開されている。3つには静岡県島田市が2019年11月に開いた文化芸術推進計画シンポジウム「文化を活かした<まち>のつくり方」の見学ツアー(大井川川越遺跡、蓬莱橋)を企画運営した。

これまでの歩みは小さなものだが、本研究所設立と密接な関係を有する書籍『文化で地域をデザインする 社会の課題と文化をつなぐ現場から』の出版を機に、研究所のホームページを立ち上げることになった。これから研究所の活動を積極的に進めていきたい。

​2020年3月

文化と地域デザイン研究所

​代表理事 松本 茂章

​目的 Our Vision
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研究者のプラットホームづくりと

「文化を活かした地域デザイン」の研究

本研究所は大学教員を中心にした非営利な研究団体である。

その活動目的は、文化政策・アートマネジメントの研究者と他の関連分野(観光、まちづくり、国際交流、福祉、教育、産業、スポーツなど)の多彩な研究者が出会い、調査・研究を深め、「研究者のプラットホーム」を形成することにある。2017年に制定された文化芸術基本法を契機に、総合的な視点から文化と地域社会づくりのありようを考え、学び合い、各関連分野に横串を刺していく。

文化を活かした次世代(将来)の地域デザイン、文化施設の運営、文化遺産を活用したまちづくり、多世代共生、文化国家づくり、などの文化政策の諸課題に関して、総合政策の視点から、調査・研究活動に励み、政策提言を試みる。合わせて各地で研究会や講演会の開催を図るなどの文化事業に取り組んでいく。

これからの社会や地域にとって、何が新しい「価値」なのか? を考え続けたい。「価値」の共有があってこそ、人々はつながる。地域を考える際、これまで気づかなかった新しい「価値」の創造がない限り、従来の繰り返しとなり、地域は活性化しないであろう。直感的にいえば、近未来では、おそらく「文化」的な共通性が問われるとともに、「文化」の豊かな多様性も欠かせなくなるだろう。

「文化」「地域社会」のデザインに加えて、「次世代や多世代の共生」のデザインも合わせて考えていく。わが国における少子高齢化社会の進展に伴い、今後もシニア世代が急増することから、熟年層と若者層が互いに交流できる地域社会づくりが求められるからだ。

これらの諸課題を考えるためには、多様な人材の交差する研究者組織が必要になる。しかし実際には多くなく、近年の学会は専門化しすぎる傾向がある。ここに本団体の独自性を見いだせる。団体名称に用いた「デザイン」という言葉には、「政策提言」「制度設計」の意味を込めている。近づく社会再編を前にして、新しい「価値」を考え続け、「文化」と「地域」のデザインを総合政策的な視点で見つめ直す。行政・企業・非営利団体・個人らに向けて政策提言を行う。

主な​事業

 本研究所は、先に掲げた目的を達成するため、次の事業を行う。

(1)文化を活かした地域デザインの研究に資するための研究会開催、催事企画、運営、制作等

(2)次世代を担う人々やシニア世代の交流を促進するための政策立案や事業実施

(3)自治体・企業・団体等から委託された研究調査、助言・評価活動、講師派遣等

(4)文化施設の管理や芸術団体の運営に対する助言業務

(5)ホームページ作成・書籍出版支援などの情報発信活動

(6)その他、研究所の目的を達成するために必要な事業

机
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