7月15日、文化と地域デザイン講座(兼・文化と地域デザイン学会第1回例会)が開催されました。本稿では、研究所スタッフ・関谷が参加報告をお届けします。
今回は、中村まい(お茶の水女子大学院・博士後期課程)さんをお招きして、「日本を代表する郷土芸能・阿波踊りにおける地域との関連性」を演題にご報告いただきました。
講座では、徳島で生まれ育った中村さんが、阿波踊りを内から見た視点を述べるとともに、研究者として外から見た視点を語り、両方が組み合わさったお話となりました。そのため、阿波踊りになじみ深い参加者も、そうでない参加者も好奇心をかきたてられる体験となったようです。
ふだんは企業連をテーマに研究をされている中村さんですが、報告では、踊り手の参加意識がどのように移り変わってきたのか、一般的にイメージされる踊りがどのように形づくられてきたのかと、阿波踊りの歴史に注目した議論が展開されました。
実演では、お囃子に合わせて全員で阿波踊りを体験しました。輪になって、列を組んで行われた実演の場は、参加者の熱気とあいまって本場さながらの雰囲気に包まれました。
今回のご報告で明らかになったのは、阿波踊りが地域に深く根付き、地元や全国の連を通して全国にネットワークを張っているということでした。言うなれば、阿波踊りは地域社会を結びつける土台となっています。けれども、そうした地域文化のはたす役割は当たり前であって、なかなか意識されることはありません。今回の講座は、阿波踊りを素材として、地域文化を全力で楽しみながら、一歩さがって来し方行く末を考えてみる、「文化と地域デザイン」を考えるきっかけとなる機会となりました。
中村まいさん、貴重なご報告ありがとうございました!
文責:関谷洸太(大阪市立大学・学部生)
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