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【10月13日】文化と地域デザイン講座を開催しました。【参加報告】

10月13日、第8回文化と地域デザイン講座(兼・文化と地域デザイン学会第2回例会)が開催されました。本稿では、研究所スタッフ・関谷が参加報告をお届けします。


今回の講座は、南博史先生(京都外国語大学・国際貢献学部)をお招きして、「海外における発掘の魅力」を演題にご報告いただきました。


講座では、南先生が参加しているウズベキスタン・コスタリカの二つのフィールドでの調査経験が紹介されました。それぞれの国の情勢と文化財にまつわる地域課題が説明され、もともと関心のあった参加者にとっても、両国になじみの薄かった参加者にとっても、説得的なお話のように思いました。



報告の様子(右が南先生)


ウズベキスタン・ヒヴァ――城壁内の6割の住民が観光業にかかわって生計を立てており、オンシーズンとオフシーズンの稼得の開きが課題となっていると言います。そのなかで、住民を文化財保全の要員として取り込んでいくことが、課題解決への方策として構想されています。


コスタリカ・オサ半島――国内での経済格差と低所得という課題に直面しており、世界遺産「ディキスの石球のある先コロンブス期首長制集落群」の登録をきっかけに、考古学調査に基づいた観光整備とコミュニティ連携のプロジェクトが進行しています。




質疑応答の様子(左が南先生・中央が松本)


質疑応答では、「個人所有や、モスクとして宗教施設の管轄になっている財産をどう文化財として包摂していくのか」「行政や地域住民だけでなく、観光客にもモニターとして協力を仰ぐことができるのではないか」といった論点が飛び出し、熱い論議が展開されました。


今回の講座を通して、「住民を巻き込み」、「文化財を活かす」実践が、ウズベキスタン・コスタリカの二つの事例に通じているように感じました。その実践は、「観光客の増加が生活排水のキャパオーバーをもたらす」(ヒヴァ)など、課題への対応が新たな課題を生むような複雑さを抱えていますが、地域課題に取り組み、将来像を考えていくこと=「文化と地域デザイン」にとって必要なことだと思います。


また、現地での調査や交流のよもやまを楽しくお話しする南先生の姿も印象に残りました。気を張るだけの調査ではないんだなあ、自分も行ってみたいなあと思わせる刺激的な講座でもありました。


南先生、貴重なご報告ありがとうございました!



文責:関谷洸太(大阪市立大学・学部生)


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